複雑な世界

●本の紹介


私は読んでないのですが、興味深い本がありました。
    

複雑な世界、単純な法則  ネットワーク科学の最前線

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

この本を知ったきっかけは、大学の授業ページです。そのページにこの本の内容などが書かれていたので紹介したいと思います。


われわれは、たまたま会った人が知人の知人であったりすると、「世間は狭いな」という。英語では「イッツ・ア・スモールワールド!」という。ネットワーク科学は、まさにこのような「スモールワールド」(狭い世間)がどのような構造をもつかを探求するもので、ここ10年ほどで急速に発展した。

本書は「人間社会の営みと、一見それとは関係のないように見えるもの(中略)の機能の仕方とのあいだに、多数の予期されなかったつながりが存在する」ことを解明し、単に乱雑に見えるネットワークがどのように発展し、いかなる意味をもつかをわかりやすく示した好著である。

たとえば、各人の「知り合いの知り合いの知り合い——」をたどっていくと、世界中の60億の人間に到達するには、どれぐらいの回数が必要か。なんと、6度で足りるのである。世界中の人々は互いに遠く隔たっているように見えるが、せいぜい「6度の隔たり」しかない。ところが、われわれはそのようなネットワークに気づかないので、時折それを発見して「世間は狭い」と驚くのである。

この場合、親しい知り合いだけを通しているとそうはいかない。知り合いの連鎖によって世界中の人間に到達するためには、親密でないただの知り合いを通したつながりを経由しなければならない。そこから逆にいえるのは、ネットワークにおいて大事なのは、強い絆(きずな)よりも、ゆるい絆で結ばれた関係だということである。たとえば、噂(うわさ)が急速に広がるのは、こうした「ゆるい絆」を通すことによってである。

ちなみに、インターネットはとてつもない広がりをもっているにもかかわらず、「約4度の隔たり」しかもたない。すなわち、それは「スモールワールド」であるがゆえに、急速な伝達が可能なのである。

さらに興味深いのは、こうした「スモールワールド」の構造が、人間の関係や、人間が作ったインターネットなどのネットワークだけでなく、脳細胞、河川のネットワーク、エコシステム、伝染病といった自然界のネットワークと共通しているということである。いいかえれば、ネットワークの組織化そのものに、人間の作為をこえて働く原理がある。何らかのネットワークがあるかぎり、それはいたるところに見いだされるのである。複雑そうに見えるものの中に意外に単純な構造がある。私が本書を読んで久々にわくわくさせられたのは、そのような認識によってである。

ここから得られた認識がすぐに応用可能かといえば、必ずしもそうではない。ただ、無用で有害な思いこみを取りのぞくことはできる。たとえば、自由な市場経済では富は一部に集中するが結局は全体に拡散する、というような見方が今でも強い。しかし、それはまちがいであり、「金持ちほどますます豊かになる」メカニズムを本書は明らかにしている。また、環境破壊やエイズウイルス感染への対策に関しても非常に示唆的である。


ここから転送




普段生活している中で、世界は狭いなぁと感じたことは沢山ありました。知り合いの知り合いの知り合い・・・と、どんどんたどっていくと、世界の人は皆知り合いなのかもしれない。ほんとにそう思ってしまいます。また、本書では「金持ちほどますます豊かになる」というメカニズムを明らかにしていみたいなので、そのメカニズムも詳しく知りたいと思います。なんで金持ちがますます豊かになるのだろう?($・・)/~~~不思議です!そして、環境破壊やエイズウイルス感染への対策に示唆的だということなので、そのことについても知りたいと思いました。様々な分野のことが書かれているのだなぁと感じてます。