遺伝子

●遺伝子組み換え:小型サル誕生 霊長類で初
大学の授業のページに、「遺伝子組み換え:小型サル誕生 霊長類で初」という記事がありました。→こちらから転送


☆記事の内容
サルの仲間のコモンマーモセットで遺伝子を組み換えた個体を誕生させることに、実験動物中央研究所と慶応大の研究チームが成功し、28日付の英科学誌ネイチャーに発表した。組み込んだ遺伝子が体内で働いていることが霊長類で確認されたのは世界初という。人間に近い霊長類に病気の原因遺伝子を組み込む実験が可能になり、パーキンソン病など神経や脳の難病研究に弾みがつきそうだ。実験動物中央研究所の佐々木えりか・応用発生生物研究室長ら、サルより小型で妊娠期間が短く、一度に2〜3匹の子を産むコモンマーモセットに着目。高濃度の溶液中で受精卵を縮ませ、遺伝子の運び役となるウイルスを効率よく送り込む手法を開発した。この手法で、体内で緑色蛍光たんぱく質(GFP)を作る遺伝子を80個の受精卵に導入し、延べ50匹の雌の胎内に戻したところ、4匹が妊娠し計5匹の子が生まれた。5匹すべてで導入した遺伝子が働き、GFPが作られていた。うち2匹では精子卵子にもGFP遺伝子が導入されていた。この精子と、通常の雌の卵子体外受精させ、子を誕生させたところ、GFP遺伝子が受け継がれていた。


世界の技術は進歩し、ついに遺伝子組み換えで小型サルを誕生させることができるまでになりました。すごいなぁと思う反面、遺伝子組み換えって少し怖いイメージがあります。そもそも、遺伝子組み換えして何かいいことがあるのでしょうか?生物工学の進歩により、新薬が開発され様々な病気をなおすことができるようになったり、親が自分たちが望む性別の赤ちゃんを選択することもできるようになると、ある英文で読んだことがあります。またその英文には、これらの発見は本当に安全なのだろうかと書かれていました。私はその英文を読んだことがあるので、遺伝子組み換えに少し抵抗があるのです。科学が進歩して、より豊かな生活ができるようになればいいですが、「科学の進歩=幸せ」とはいいきれない気がします。ですが、科学が進歩して良かったと思うこともやっぱりあるので、進歩は止まってほしくないです。色々な生物にとって良い効果をもたらす科学の進歩に期待したいです。



遺伝子組み換えについて気になったので、「遺伝子組み換え食物」を調べてみました。


遺伝子組み換え作物GMO [genetically modified organisms]とは、ある生物から有用な遺伝子を取り出し,それを他の生物の遺伝子に挿入することによって開発された作物のことです。特定の除草剤をかけても枯れない除草剤耐性作物や殺虫成分を作るようになった害虫抵抗性作物などが実用化されています。

日本では遺伝子組み換え作物はほとんど栽培が行われておらず、アメリカやカナダ、アルゼンチンなどが栽培の中心地です。日本では、1996年、遺伝子組み換え作物の輸入が政府によって認可され、現在、大豆、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモ、綿実、てんさいの6種が市場に出回っていますが、このほとんどが害虫抵抗性作物と除草剤耐性作物です。遺伝子組み換えイネも実用化段階に入っていると言われています。

★害虫抵抗性作物…殺虫成分を作る細菌の遺伝子を植物体に挿入して作られます。植物が常に殺虫成分を産出しているため農薬の使用量が減少するといわれています。
Bt菌の遺伝子を挿入したものが有名です。バチルス・チューリゲン(Bt)という微生物が出すBtタンパク(特定の害虫を殺すタンパク)を作る部分の遺伝子を取り出して、農作物に導入したものです。一番よく知られているのが、Btコーンと呼ばれるトウモロコシで、トウモロコシにつくヨーロピアン・コーン・ボーラーという害虫に殺虫効果があります。
ヨーロピアン・コーン・ボーラーがBtタンパク質を食べると、消化管の中で殺虫効果を持つ形に活性化され、消化管の細胞が破壊されてしまいます。このためヨーロピアン・コーン・ボーラーがBtタンパク質を食べると、死んでしまうのです。

★除草剤耐性作物…除草剤に耐えるバクテリアの菌からその遺伝子を作物に移すことによって、除草剤に耐性を持つ作物が作られた。作物への影響を気にせず、効果的に除草剤が散布できるので除草剤の使用量が減少するというのが売り文句です。モンサント社の開発した「グリホサート(商品名:ラウンドアップ)」という除草剤の耐性作物が有名です。


遺伝子組み換えの問題点
1.人体への影響(一つの例)
 先に説明したBtコーンについて、作った側は、「人の場合は胃の中は酸性で、消化管内の環境が虫とは異なるため、消化酵素の働きでBtタンパク質は活性を持たない形に分解されてしまいます。」というが、果たしてそうか。
 北欧のウイルス学者が、ミンダナオ島の遺伝子組み換えトウモロコシ(Btコーン)栽培場近くに住む農業従事者の免疫系統に異常が見られたと発表した。調査結果が裏付けられれば、GM作物に対する反対運動に発展する可能性も懸念される。ノルウェー遺伝子環境研究所のテリエ・トラビク教授がロイター通信に明らかにしたところによると、39人から採取した血液サンプルで3種類の抗体が異常増殖していたという。
 また上述したように、米国コーネル大学のジョン・E・ロゼイ助教授のチームは、「殺虫成分(=Btタンパク質)を導入した殺虫性トウモロコシが、チョウに被害を及ぼす恐れがある」、との研究結果を発表しました。このことからも、急性毒性はなくても、長期的に見た場合、人体への影響が懸念されます。


2.遺伝子組み換えは「技術」未満
 現在の遺伝子組み換えでは、生物の細胞から遺伝子を切り取ることや、生物の遺伝子を合成することはできるようになりました。しかし肝心の「組み込み」については、人間は制御できません。できるのは目的の遺伝子セットを目的の宿主生物の細胞に「潜り込ませる」だけで、その先の「組み込み」は、生物任せです。遺伝子セットが、宿主の染色体のどこに入るか、あるいはいくつ入るかは、全部偶然に頼っています。
偶然に頼っていますから、同じ作物と同じ遺伝子セット使っても2つとして同じものは作れないのです。こうしたことを再現性がない、と言います。
「技術」とは、再現性があり、私たち人間が制御可能であることが前提となります。
もともと、目的の作物(動物)の遺伝情報(ゲノム情報)、染色体の遺伝子地図もほとんどがわかっていないのが現状です。どこに入ったのかもわからないのですから、元々あった遺伝情報をどのように変化させてしまったかということもわかりません。


3.組み換え事故は制御困難 
遺伝子組み換えは、よく原子力発電に例えられます。うまく使いこなすことができれば、その生み出すものは大きいのですが、ひとたび事故が起きれば取り返しがつかない点が似ているからです。しかし、原発は人間が作ることを止めれば現状以上に増えることはありません。一方、遺伝子組み換え生物は、一度作り出され、環境に放出されれば、生物として増殖を続ける可能性が存在します。その点でも制御することが難しいのです。


4.既に事故が起きている
 上の事例に見られるように、すでにいくつかの事故の報告があり、環境への影響も懸念されています。


5.ずさんな「安全性審査」
 現在の安全性審査は、
①審査自身が開発者(輸入者)の任意であり、強制力はない。
②申請者の提出した書類を審査するのみであり、第三者機関による試験ではない。
③組み換えされた作物そのものの摂取試験は実質免除されている。
④組み込まれたタンパク質も急性毒性試験だけ。(長期的、慢性的毒性については免除)


6.作物の「種子」が独占される(大手アグリビジネス企業による種子支配)
 大手アグリビジネス企業は、農家がGM作物のタネを知り合いに分けたり売ったりするのを嫌った。そこで、巨大企業は、タネが実らないGM大豆を開発したのです。種子不稔技術という悪夢を、大豆に付け加えたのです。
もちろん、農家は驚愕した。自分の畑でなった作物から、タネが採れないのだから。結局、農家は、大企業製GM大豆を使う限り、永遠に、毎年、タネを大量に買い付けなければならないことが、現実に起こっています。
 また、組み換え作物の開発メーカーは、次々と他の開発企業や種子会社を合併、買収しています。現実では生命に対する特許が張り巡らされ、作物の種子の独占状態が急速に広がっています。




遺伝子組み換えって危険なものだなぁと感じてしまいました。環境た人の体に悪いものなので、遺伝子組み換え技術って怖いと思いました。



*参考ページ:遺伝子組み換え作物とは